第5回東北青少年音楽交流会

●日程       2017年7月13日(木)〜20日(木)

 

●参加者

高見 秀太朗(ピアノ)【7/13~20】

湯浅 江美子・大内 遥・藤村 もりの・金子 遥亮(弦楽四重奏)【7/13~16】

田村 祐子(ソプラノ)【7/15】

笠村 勇樹(サックス)【7/17】

實成 悠介(ピアノレッスン)【7/20】

 

●サポート

鈴木 真衣(ソプラノ)千葉 展子 (フルート)【7/17~19】

 宮城県文化振興財団 アウトリーチ登録アーティスト

 

●コーディネーター 大庭 泰三

 

★概要

●テーマ: 愛をつなごう ~音楽で伝えたい、この気持ち~

どんなに厳しい社会でも忘れてはならないのは、一人一人の心を見つめ、認め合い、つながることで乗り越えようとする思いだと考えます。

音楽を届けるだけでなく、私たちと音楽と東北で、愛のぬくもりをつなぎたい。

今年は音楽の持つ「愛」の力に注目したプログラムを組みました。

 

●オリジナル・ワーク

☆「愛のあいさつ」を受け止めよう

音楽の聴き方をつくるワークです。ただ音を聴いて楽しむだけでなく、その背景にある思いを想像するきっかけとして、4種類の選択肢を提示し、音が伝えようとしている思いを自分なりに感じ取る活動を通じて、より音を深くとらえます。

どんな人が、誰に愛を伝えているの? 問いかけに対して、自分の心と音楽を結びつけます。

何名かの参加者にお願いし、選んだ理由をお話頂きます。一つの演奏から生まれた、多様な感受や見方、個人の思いや背景をも音楽を媒介して共有し、認め合うことで、ここに心のつながりが生まれるのです。

 

☆We got Rhythm!

音楽は、人の生活や思いの中で、3(リズム・メロディー・ハーモニー)+1(音色)の要素が揃ったときに生まれます。

弦楽器・管楽器・歌・ピアノだけでなく、懐かしいリコーダーや鍵盤ハーモニカ、そして身近なものを使った楽器や変な楽器も登場し、様々な音色から音楽が生まれていきます。私たちの身体も大事な材料の一つです。参加者の皆様も3つのグループに分かれ、それぞれのリズムを練習し、最後に音楽に参加して「We Got Rhythm!」となります。

 

●曲目

☆エルガー:愛のあいさつ・威風堂々

☆ガーシュウィン:アイ・ガット・リズム

☆ドビュッシー:弦楽四重奏曲 第1楽章

☆シューマン:ピアノ五重奏曲  第1楽章・ロマンス

☆フランク:ソナタ より(Violin・Flute)

☆リスト:愛の夢

☆サン₌サーンス:白鳥

☆クライスラー:美しきロスマリン・愛の悲しみ

☆フォーレ:夢のあとに

☆ビゼー:アルルの女 「メヌエット」

☆ショパン:子犬のワルツ

☆プッチーニ:私のお父さん

☆ビゼー:カルメン 「闘牛士の歌」 「ハバネラ」

☆ダマーズ: ヴァカンス

 

☆Misirlou         ☆情熱大陸          ☆荒城の月       ☆花は咲く

☆愛の讃歌        ☆L-O-V-E           ☆ダニー・ボーイ

☆Over the Rainbow                      ☆津軽海峡・冬景色

 

●7/13(木)

【せんだい3.11メモリアル交流館 視察】

今年度のスタートは、改めて震災を見つめようと、まずはせんだい3.11メモリアル交流館へ。3.11からの道のりを振り返るとともに、3.11前の仙台市沿岸の様子を知ることができました。仙台唯一の海水浴場で賑わった地域。住民が協力して植え、田畑を守った広大な松林。過去の記憶・復興の歩み・未来へのビジョン、地元と訪問者がそのすべてを認め、守り、育てていく、あたたかな思いにあふれた施設でした。

 

せんだい3.11メモリアル交流館 (宮城県仙台市若林区荒井字沓形85-4)

http://sendai311-memorial.jp/

地下鉄東西線の東端・荒井駅駅舎に2016年2月オープン。交流スペースや展示室、スタジオが設置されている。「震災の記憶や経験を市民のみなさまと共に考え将来にわたって伝えていくために、市が開設する施設です。震災を知り学ぶための場であるとともに、津波により大きな被害を受けた市東部沿岸地域への玄関口でもあります。みんなで、震災や地域の記憶を語り継いでいくための場所です。」(公式サイト)

 

 

【岩沼市東児童館  MECP 音楽ワークショップ 「音をつくろう!心をつなごう!」】

働く保護者のための放課後児童クラブ(学童保育)は、共働き世帯の増加にともない、全国的に近年さらに需要が高まっているといわれています。指導員の皆様が工夫されているしかけや見守りによって、毎日さまざまなきっかけから、能動的な「遊び」の時間をもつことが、学校とは違った学びの場となると感じています。楽器づくりの創作プログラムで、音楽をつくるきっかけをつかんだ後、鑑賞プログラムで実際の音楽を提示し想像力で見つめます。入口から完成までを一気に体験し、自分と音楽をつなぐきっかけを見つけます。とてもフレンドリーな子どもたちは、全力で「音で遊ぶ」時間を楽しんでいました。

 

会場: 岩沼市東児童館 遊戯室 (宮城県岩沼市早股字小林396-18)

震災による津波で瓦礫が大量に入り込み、使用不能となってしまいました。

2014年6月、ウッドテラスと中庭を設けた、開放的であたたかな建物が再建され、放課後は隣に位置する岩沼市立玉浦小学校の多くの児童でにぎわいます。

 

●7/14(金)

【相馬市立八幡小学校 MECP 音楽鑑賞教室】

夏休み前の4時間目、昨年度に引き続き、生演奏でさまざまな体験を40分に凝縮してお届けします。冒頭に先生から、「耳だけで聴くのではなく、心で聴きましょう」とお話を頂きました。1年生から6年生まで、一斉での体験は非常に難しいのですが、この言葉で児童たちは自分なりに心のスイッチを探したようです。サウンド、物語、心、想像、自分の身体…様々な角度から音楽をとらえ、実感できるプログラムを目指しました。特に高学年の生徒にとっては、敏感に大人の窮屈な空気を感じ、自己表現が抑制される可能性もあります。自分の心地よいきっかけから、音楽が自分の心とともにあることができれば幸いです。

 

会場: 相馬市立八幡小学校 2F多目的ホール(福島県相馬市坪田字清水前9-3)

エルシステマによるヴァイオリン教室も開催されている八幡小学校には、三年続けて訪問させて頂いています。高台にあるため津波の被害は免れましたが、校区には原発周辺からの避難住民も多く暮らし、環境に大きな変化がありました。

 

【被災地視察】

・相馬市 磯部地区/尾浜地区 他

今回は、前八幡小校長・松本一宏先生のご紹介で、被災当時相馬市沿岸の海浜自然の家にお勤めで、現在相馬市教育委員会にて「防災教育専門員」を務める、高橋誠先生に同行いただき、被災地を視察させていただきました。

相馬市沿岸・磯部地区では、海沿いの町を津波が襲い、約2000人の住民のうち251人が亡くなりました。

避難先となった高台の磯部小学校を訪れ、現校長・佐藤和子先生にお話を伺いました。磯部小では大半の低学年の児童が下校していた中、帰宅後の児童が11名犠牲となってしまいました。すぐに学校に駆け上ってきていれば…?今年度から震災後に生まれた児童が小学校に入り、ますます防災教育の重要性とそのあり方が問われています。

近隣には、相馬井戸端長屋と磯部コミュニティセンターが建てられました。「井戸端長屋」は、お年寄り向けの、人がつながり、風も通る、長屋風の復興住宅です。相馬市では、長い歴史を持つ旧中村城の城下町として、昨年も訪れた「相馬兵糧蔵」や、小学校、市民会館など、中心市街地や公共建築を中心に、伝統的な和風のぬくもりをもつ建築で街づくりを進めており、ひとが集いたくなる素敵な建物が並びます。

隣のコミュニティセンターは公民館機能のほか、公共サービスの出張機能を担い、毎日を豊かに過ごせるだけでなく、万一のときも安心な環境となりました。この2棟はシンガポールから全面的な支援を受けて建てられました。 6月、磯部地区の大きな転機となる施設が稼働を開始しました。地区を覆う広大な太陽光発電「メガソーラー」です。一面に広がるパネルを見て、言葉を失いました。今後居住が難しい地域の復興のあり方として、有効活用と言われるものでしょう。しかし故郷がこのように姿を変えることに対して、我々の想像を超える複雑な思いがあることと感じます。

 

【相馬市立八幡小学校 MECP 音楽ワークショップ 「音をつくろう!心をつなごう!」】

会場: 相馬市立八幡小学校 3F 音楽室

学校に戻り、放課後に希望者対象の創作ワークショップを開催。4時間目に楽しんだ音楽を今度はつくる番、ゆったり楽しくグループごとに実施しました。昨日の岩沼での取り組みを生かし、新たなお助けグッズ・特製メジャーを用意。タピオカストロー笛は簡単に音が出るものですが、曲を演奏するにはコツが必要。放課後活動の魅力は、とことん自分の意志で探求できることにあります。全体で同時に進行することは避け、可能な限り少人数に寄り添うかたちでの実施を目指しました。それぞれに工夫して活動しながら、自分なりの音楽の楽しみ方を見つけられたでしょうか。

 

●7/15(土)

【MECP Heart to Heart Concert in 宮城野市営住宅】

昨年、六丁の目西町市営住宅でのコンサートにて、住民の皆様から伺ったお話が忘れられず、ぜひまた復興住宅にお邪魔できればと考え、今年も仙台市社会福祉協議会・仙台市ボランティアセンターのご協力のもと実現しました。忘れてはならないのが、復興住宅(災害公営住宅)への入居は、復興の終わりを意味するものではないということです。もう一度家族全員で暮らしたい。ここには電子ピアノしか置けずやめてしまったが、また家でゆっくりとピアノを楽しみたい。もともと暮らしていた地域に戻りたい。お一人お一人様々な思いがある中、心のつながりで支えられればと考えます。

 

会場: 宮城野市営住宅 集会所 (宮城県仙台市宮城野区宮城野2-12-20) 

仙台が誇るプロ野球チーム、東北楽天ゴールデンイーグルス本拠地・koboパーク宮城の隣に位置する災害公営住宅です。住宅完成の翌シーズンから名物の観覧車が稼働開始、そこからの観戦が趣味という方もいらっしゃいました。

 

【MECP Heart to Heart Concert in 大林寺】

日本全国どこにでもあるお寺は、古くは「寺子屋」や初期の学校が置かれたように、地域のコミュニティをつなぎ、人の暮らしを支える場所です。畳の本堂でのクラシック音楽は珍しいものですが、あたたかな空間に包まれ、対話のはずむ和やかなコンサートとなりました。

ここでの特別プログラムとして、土井晩翠のお墓のあるお寺で歌われる「荒城の月」、そして毎年弾き継いでいる「花は咲く」も、初めて独唱と弦楽四重奏の共演で演奏しました。「私は何を残しただろう」の歌詞は「私は何を残すだろう」と変更されましたが、それぞれのメンバーが音楽を通じて向き合い、まさにこれから、私は何を残すことができるのか、思いを巡らせていました。

 

会場: 曹洞宗 大林寺 (宮城県仙台市若林区新寺4-7-6)

「荒城の月」の作詞者として知られ、日本全国の校歌の作詞を数え切れないほど行った、土井晩翠の菩提寺です。仙台駅から東に1.5kmほど、多くの寺が立ち並ぶ新寺地区にあり、仙台出身の同学年・田村祐子さんのご実家というご縁で、特別に素敵なコンサートが実現しました。

 

●7/16(日)

【MECP Heart to Heart Concert in 七郷小学校】

 一昨年、旧荒浜小音楽室から移され、再び使用されている3階ホールのピアノ。一昨年のコンサートでお披露目し、昨年はピアノレッスンを行いましたが、今年は再びコンサートも開催することになりました。午前中早い時間にもかかわらず、暑い中大変多くのお客様がお越しくださいました。地域の幅広い年代の皆さんが、ワークを通じて思いを共有し、音楽で一つになることができました。しかし音楽を通じて心をつなぐ目的は、単発の行事で果たせることではなく、本当は通年で実施できることが理想です。それでも「今年も来てくださったのですね!」の言葉は嬉しく、できることは確実に、一歩ずつ続けていきたいと改めて決心しました。

 

会場: 仙台市立七郷小学校 3Fホール (宮城県仙台市若林区荒井字堀添53-2)

地下鉄東西線荒井駅近くに位置する、児童数1000人を超える大規模校です。20日に訪れた荒浜小学校は、昨年七郷小に併合されました。コンサートは、学校と地域が協力して実施している「防災キャンプ」に引き続いて行われ、学校を中心にまちが一丸となって今後の仙台東部地域のあり方を見つめています。

 

【MECP Heart to Heart Concert in 大橋団地】

大橋団地には、洗足学園音楽大学と合同で行っている春の訪問で、2度訪れています。コミュニティをつなぐ様々な活動を行ってきた自治会は解散となりましたが、世話役の山崎さんを中心に、すでに転居された方も含め、あたたかなネットワークが今も大切にされています。直前に決まった訪問にも関わらず、多くの方に迎えていただきました。

まるで祖父母の家に帰ったかのように、到着するとさっそくいろんなお話や昔遊びで盛り上がり、用意した様々な楽器で遊びながら、自然に会が始まります。まさに「曲を聴きましょう」という形式的な空間としてのコンサートではなく、コミュニケーションとして音楽がある時間でした。会の途中には、偶然訪れていた関東の修学旅行生も参加してくれました。

私たちは音楽を届ける人ではない。音楽でつながる人であろう。メンバー全員が再度心に誓いました。

 

会場: 仮設大橋団地 東集会所 (宮城県石巻市大橋1-1-2)

プレハブ仮設は市内で最大133箇所・約17,000人が暮らしていましたが、いまだ約3,600人が暮らしています。跡地の復興のためにも集約が進み、大橋は拠点の一つとして、最終期限の2019年9月まで運用される予定です。

●7/17(月祝)

【MECP Heart to Heart Concert in アイトピア】

この日からは仙台の宮城県文化振興財団アウトリーチアーティストお二人にも加わって頂き、研修を重ねたワークショップの手法も生かし、石巻に音楽を通じて心をつなぐ活動を継続します。

小さな舞台とフラットな広い空間を生かし、お客様が会場にいらしたところから、お帰りになるまでずっとぬくもりを感じて頂けるような、一体感のあるコンサートづくりを目指しました。

仮設住宅や町内会、学校などの既存のコミュニティに訪問して行うコンサートも大切ですが、一歩外に出たくなるコミュニティを作ることで、つながりの輪がさらにひろがり、まちの復興へと進んでいくと考えています。サポート頂く地域の方、お越し頂く地域の方、そして私たちが一つになり、あたたかな未来を想像する時間となりました。

 

会場: みやぎ生協 文化会館アイトピア (宮城県石巻市中央2-7-3)

石巻市中心部商店街に位置する「文化会館アイトピア」。中心市街地に人の集まるコミュニティの中心をとの思いで、スーパーマーケット跡地が多目的ホールにリニューアルされました。

 

共催: (株)街づくりまんぼう

 (株)街づくりまんぼうは、石巻市のシンボル「石ノ森漫画館」を運営するほか、被災後は特に復興と中心市街地の活性化に向けて、様々な事業を展開しています。

 

●7/18(火)

【石巻市立稲井小学校 MECP 昼休みミニコンサート&音楽鑑賞教室(4年生)】

5校時の鑑賞教室は4年生のみ対象のため、他学年の元気な児童の皆さんが、昼休みに音楽室に入りきれないほど集まってくれました。4年生には45分かけ、歌とフルートの澄んだ音色から、丁寧に想像するワークを行いました。やはり大盛り上がりの「We got Rhythm!」、音楽は通り過ぎていく時間の中にあるものですが、身近なところから音楽が生まれる体験から、想像から生まれる音楽が、子どもたちのことばのような存在になってほしいと願っています。

 

会場: 石巻市立稲井小学校 音楽室(宮城県石巻市真野字八の坪116-1)

 のどかな稲井地区に位置し、幼稚園・小学校・中学校が一つの敷地内にあります。学年2クラスのほどよい環境で、校種間の連携や交流も行われる、風通しのよい学校です。たぶのきネットワーク石巻からご参加頂いたメンバーには、稲井幼稚園の元園長先生がいらっしゃり、様々なお話を伺いました。

 

●7/19(水)

【石巻市立開北小学校 MECP 音楽鑑賞教室(2年生)】

16日にも訪問した仮設大橋団地のすぐそばにあります。参加しながら想像をひろげる、MECPのワークショップは通常4年生以上に実施することが多いのですが、2年生での実施にあたり、より直感的で、身体的なワークを目指しました。

導入は、アカペラで歌う 「ダニー・ボーイ」。途中からピアノ・フルートが重なり、音楽がひろがり、生まれる様子を自然と実感できるような編曲の工夫も行いました。音楽はすでに完成されたものとして届けられ、私たちの心や体を素通りしてしまうことが多々ありますが、人から、私たちから音楽が生まれることを、確実に伝えたいと思っています。

 

会場: 石巻市立開北小学校 音楽室(宮城県石巻市大橋1-2-1)

校長先生は石巻出身、石巻の校長会にも何人も高校の同級生がいらっしゃるそうです。馴染みの町への思いは強く、「学校の窓から仮設が見えるうちは、復興は終わったと感じることができない」と仰っていました。子どもたちもきっと心のどこかで感じている地域の課題と、子どもたちののびのびとした成長を願う気持ちに、向き合い続ける日々。隣の大橋団地には高齢で復興住宅に移ることの難しい方も含め、毎日の暮らしをつないでいます。学校と地域の未来をどのように描いていくか、今年は被災後に生まれた児童が入学しましたが、その道のりは今も問われています。

 

【釜地区第一・第二放課後児童クラブ MECP 音楽ワークショップ 「音をつくろう!心をつなごう!」】

 石巻市役所は、撤退した百貨店を活用した珍しい建物です。立体駐車場から各階にアクセスでき、百貨店でいえば当然ですが、市役所としては画期的なバリアフリーを実現しています。一角の市民サロンをお借りしてひたすら紙皿に穴をあける準備を行い、学校へ向かいます。共働き世帯の増加に伴い需要が高まっていることは、岩沼と同じです。指導員の皆さんも、家で過ごす時間が短いことへの多少の「寂しさ」をもつ児童などに対しても、きめ細かい対応が求められながら、夏休みも含めほとんどの日程で受け入れを行っています。音楽が子どもたちにとって、夢中になれる材料や、自己肯定感を持つことのできるきっかけとなることも願っています。

 

会場: 石巻市立釜小学校 体育館 (宮城県石巻市大街道西2-6-80)

ロードサイド店舗の立ち並ぶ国道398号線から一本入ったところにある釜小学校。当初第一クラブの予定でしたが、体育館をお借りすることができ、第二クラブの皆さんも一緒に実施させて頂きました。

 

●7/20(木)

【震災遺構 仙台市立荒浜小学校 視察】

仙台駅前から車で30分弱、市内唯一の海水浴場としてにぎわった荒浜地区。巨大津波に町は完全に飲み込まれてしまいました。小学校では児童を含む避難者が上階に避難していたこと、海に垂直方向に立った建物が津波の直撃を最小限におさえたことから、避難者の多くは寒い夜を明かしたのち、なんとかヘリや徒歩で救助されました。震災遺構として保存することには、暮らしていた方を含め、様々な意見があったことが想像されますが、どんな映像を見ても、どんな話を聞いても、ここに立ち、感じて想像することでしか共有できない、大切な思いがあると感じます。災害は必ず来る、その時、私たちはどのようにつながり、立ち向かうのか。どのように守るのか。被災された多くの方の思いを胸に、よりよい社会を考えることは、生きる者の責務です。

 

仙台市立荒浜小学校(宮城県仙台市若林区荒浜字新堀端32-1)

仙台市東部、海のそばにあります。震災後東宮城野小学校を間借りして授業を行っていましたが、地域のほとんどが災害危険区域に指定され住居の再建のめどが立たないことなどから、昨年閉校となりました。七郷小に移されたピアノのあった音楽室は、記録を伝えるビデオが上映される部屋となっています。

 

【仙台市立七郷小学校 MECP ピアノレッスン】

会場: 仙台市立七郷小学校 3F/4Fホール(仙台市若林区荒井字堀添53-2)

おととしから始まったこの企画は、夏休みのはじめに子どもたちが輝ける場所を一つでも多く作りたい!という教頭先生の強い思いに支えられ、継続して開催させて頂いています。嬉しいことに年々参加希望者が増え、今年はなんと50人以上の申し込みを頂きました。予想を大きく上回る応募に、一人当たりの時間が短くなってしまい残念な思いですが、初心者・初級・中級のグループを組み、「さらに音楽を楽しめる」ことを第一に、ワンポイントレッスンを行いました。

 次回はぜひ、一日コースでもっと深い活動ができれば、と願っています。

 

 

●お世話になった皆さま

庄司 美知子先生(仙台中央音楽センター)

〜電子ピアノと譜面台を8日間お借りし、練習用のスタジオをご提供いただきました。

 

山本 純様(仙台フィルハーモニー交響楽団 チェロ奏者)

~訪問先についての情報提供、活動へのご指導、七郷小コンサートのサポートを頂きました。

 

長谷川 郁子様・山形 昌子様・伊藤 桂様・足立 弦子様   (たぶのきネットワーク石巻)

西條 允敏様(㈱街づくりまんぼう 代表取締役社長)

~石巻での活動を、コーディネートから当日のお手伝いまで、心強くサポート頂きました。

 

宮城県文化振興財団 企画事業課 ・ 石巻市福祉部 こども保育課

~訪問先についての情報提供をいただきました。

 

各訪問先ご担当の皆さま